求婚を育てるヒント

今回のゲストは、別々の道を歩む夫婦のための儀式「離婚式」を手がける寺井広樹さん。これから幸せな未来に向かって進もうとしているのだから不吉な言葉はよしてくれ!と思うなかれ。離婚というネガティブなキーワードを幸せに転換してきた寺井さんだからこそ、みなさんに伝えられることがあるんです。そう、今回は寺井さんに「離婚予防につながるプロポーズ」について語っていただきます!

今回のテーマ

──まずは離婚とプロポーズの関係について、寺井さんの考えを教えてください。
私が離婚式を手がけてきたなかで、式の最中に離婚を思いとどまったカップルが9組いらっしゃいます。離婚式ではおふたりが結ばれてから別れるまでの写真をスライドショー形式で流すのですが、幸せだった過去を振り返ることで、お客様の心に大切な思い出を消し去ることへのためらいが生まれることがあるんですよ。つまり、離婚は最後の最後にふたりの心をつなぎ止める「絆」があれば防げるもの。その絆を生む行為のひとつがプロポーズではないかと思うんです。

──プロポーズは離婚の予防に効果的なんですね。
プロポーズには夫婦関係を強くする効果があって、結果的に離婚の予防にもつながると考えたほうが正しいかもしれません。リクルートが実施した『夫婦関係調査2011』(※)でも、プロポーズを経験した既婚者は経験していない既婚者よりも離婚する確率が低くなるという結果が出ていますしね。

──では、離婚などとは縁遠い円満な夫婦関係を築くには、どんなプロポーズをすればよいのでしょうか?
ひとりよがりにならず、視野を広く持つことです。たとえば、「あなたとあなたの家族と一緒に幸せな未来を描きたい。結婚してください」というプロポーズであれば、「自分だけではなく、家族のことまで考えてくれている」と彼女に思ってもらえるでしょ?ちょっと照れくさいという方は、家族の枠を広げて「きみのペットも一緒に幸せにする」といったアプローチでもいいかもしれません(笑)。

──プロポーズは1対1の結びつきではないことを示すのが大事だと。
そうですね。プロポーズではありませんが、結婚式のスタイルに関しても、ジミ婚よりハデ婚を挙げたカップルのほうが離婚しない傾向にあるんですよ。多くの人と素敵な時間を共有したことが夫婦間で大切な思い出となって、ふたりの結束が強くなるのでしょう。そういう意味では、プロポーズにしても結婚式にしても、「大切な人を巻き込む」といったアプローチは離婚予防に効果的かもしれませんね。

──それ以外に視野を広げたプロポーズの方法ってありますか?
結婚にあたって、パートナーと人間性の面ですれ違いが起きないか不安に思っている女性はたくさんいらっしゃるので、プロポーズ時に異性として愛しているということだけではなく、人間性も尊敬していることなどを伝えられるとよいのではないでしょうか。

寺井広樹さん

──いまお聞きしたふたつは、ともに王道的なプロポーズですね。サプライズはあまりオススメできないのでしょうか?
一概にそうとは言えませんが、サプライズ好きな人の中には常に刺激を求める人が少なくからずいらっしゃって、そもそも地味で単調になりがちな結婚生活に向いていないこともあるんです。新婚当初はサプライズ好きだった女性も家庭に入ると現実的になりますしね。旦那さんがサプライズで高価なプレゼントを買って喜ばせようと思っていたのに、奥さんは喜ぶどころか「どうしてこんな高価なものを買ったの。少しは家計のこと考えてよ!」と怒られて、それが離婚に繋がった御夫婦もいるんですよ。

──あくまでも将来に向けてふたりの関係を強くすることが大切なんですね。
そう思います。変な話ですが、ふたりが強い絆で結ばれていれば離婚しても良好な関係が築ける傾向にありますし。

──なら、離婚しなければよいのでは?(笑)。
そうなんですけどね(笑)。ただ、円満離婚される方には、結婚というスタイルはマッチしなかったけど、大切なパートナーとして離婚後も関係を続けていきたいという方が少なからずいらっしゃるんですよ。きっとこの人たちは、視野を広く持ったプロポーズを経験して、結婚前に強い絆で結ばれていたのではないでしょうか。

──プロポーズが離婚の仕方にまで影響するんですね。
そう思います。ですので、円満離婚の専門家としてプロポーズについてお伝えしたいのは、「たとえ離婚しても、その後も良好な関係を築けるようなプロポーズをしてほしい」ということなんです。円満離婚された方々は、離婚式で以下のような名言を残しているくらいですから。これから結婚される皆さんには、絶対に離婚はしてほしくないですが、離婚時にこんなセリフを言えるような夫婦関係を築いてほしいと願っています。

※『夫婦関係調査2011』(首都圏、東海、関西在住の20代から60代の既婚者及び離婚経験のある独身者、計1200人を対象/リクルート ブライダル総研)

「離婚の誓いの言葉」名言集

プロフィール

寺井広樹

離婚式プランナー。かねてから「結婚式があってなぜ離婚式がないのか」という疑問を持ち続け、2009年、大学時代の先輩の離婚式をプロデュースしたことを皮切りにサービスを開始。口コミやマスコミへの露出で一気に注目度が高まり、現在までに180組以上の式を開催。近年は活動の幅を広げ、KBS京都ラジオ「離婚さん、いらっしゃい。」にてパーソナリティを務めるほか、日本旅行とのタイアップ企画「離婚しないために学ぶ婚活ツアーin京都」の監修なども手がける。

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